おしりの穴が痛い場合の対処法を症状別に紹介
目次
おしりの穴が突然痛くなったら、どうしたら良いか焦ってしまいますよね。自分で判断した対処法が、逆効果ならどうしようと迷ってしまうかもしれません。
この記事では、そのような時に自宅でできる対処法を、症状別に紹介しています。
病院へ行くまでの間、どうしたら良いか知りたいかたは、ぜひ参考にしてください。
おしりの穴が痛い場合のケア方法
おしりの穴に痛みが出たときは、からだの力を抜きましょう。痛みを感じるとからだは硬直してしまいます。その結果、肛門にも力が入り、余計に痛みが増してしまうからです。
まずは安静にして、からだの力を抜くことから始めましょう。布団などの上に左横向きに寝て、ひざを軽く曲げた姿勢で、全身の力を抜きます。肛門にも力を入れないようにしてください。
少しの間、このままの姿勢でいることで、痛みはやわらぐことが多いです。
症状別の対処法
痛みに対処するには、原因を確認する必要があります。
裂肛(れっこう:切れ痔)や痔核(じかく:いぼ痔)からくる痛みなのか、肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)や痔ろう(あな痔)からなのかによって対処法が異なるからです。
症状別に対処法を解説します。
症状1痛みだけでなく、肛門からいぼが脱出もしくは肛門外側に腫れがある
肛門より外側にあるいぼ痔のことを血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)といいます。
おしり周りの血行を促すことで、症状はやわらぐことが多いです。座りっぱなしでいたり、腰やおしり周りを冷やしたりすると、肛門が充血するのであまり良くありません。
お風呂でからだを温め、血液の流れを良くしましょう。シャワーで温めるより、半身浴のほうがおすすめです。
入浴できないほど痛みが激しい場合は、蒸しタオルを患部にあてるか、下着の上などからカイロをあてるなどして温めてください。
症状2排便時に何かに切られるような痛みがある
排便時に切られるような痛みを感じたときは、切れ痔が疑われます。症状①と同じで、おしりの周りの血行を促すことが、症状をやわらげるポイントです。
お風呂でからだを温め、血液の流れを良くしてください。
痛みが強く入浴できないときも、症状①と同じように蒸しタオルを患部にあてるか、下着の上などからカイロをあてるなどして温めましょう。
また、日々の排便コントロールも大事です。(便秘、下痢等)
症状3肛門の周囲に熱をもち、赤く腫れあがっていてズキズキ痛む
肛門の周囲に熱を持ったり、赤く腫れ上がるのは、痔ろうや肛門周囲膿瘍が考えられます。横になり、患部を冷やすようにしましょう。
痔ろうや肛門周囲膿瘍は、患部が化膿しているので、温めることは逆効果です。入浴は、浴槽につからずシャワーなどで簡単に済ませてください。
基本的には病院での治療が必要なため、症状が悪化しないうちに、早めの受診を心がけましょう。
監修
医療法人社団晃輝会
理事長 医学博士 大堀 晃裕
日本大腸肛門病学会 専門医・指導医 https://www.coloproctology.gr.jp/
大学病院と総合病院に長年従事し、肛門病疾患を中心に大腸肛門病に対して多数の検査実績、手術への豊富な執刀経験を持ちます。
日本大腸肛門病学会の中でも数少ない専門医・指導医として、治療だけでなく技術指導を行なっています。
現在医療法人社団晃輝会の理事長として大腸肛門病・消化器内科の専門クリニックを2院展開し、胃・大腸内視鏡検査を年間2,700件以上、手術も年間500件あまり手掛けています。
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