肛門が臭い原因とは?それぞれの対策を紹介
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肛門の臭いはデリケートな問題のため、相談できず一人で悩んでしまうこともあるかもしれません。なるべく人に知られることなく対策できたら良いですよね。そんな悩みに答えられるように、この記事では臭いを発生させる原因と、それぞれの対策方法を紹介します。
肛門が臭い原因
肛門はトラブルが発生すると、臭いが出やすい場所です。トラブルが起こる原因は人によりさまざまです。代表的な原因を5つ解説します。
原因1便の拭き残し
便の拭き残しは、誰もが1度や2度経験をしたことがあると思います。肛門はひだがあったり、毛が生えていたりするなど、便の拭き残しが起こりやすいです。便が肛門に残ってしまうと、臭いだけでなく、かぶれの原因になります。
原因2下痢・便秘
下痢や便秘は、排便時の肛門への負担は大きくなります。下痢の場合は何度も肛門を拭くことになり、便秘の場合は便を出すためにいきんだりするからです。この行為は、肛門を傷つけるだけでなく、痔を引き起こす原因にもなります。
痔ができたあとも同じことを繰り返すと、患部を傷つけるため注意が必要です。痔の傷から出た粘液は菌が繁殖しやすく、臭いのもとになります。
原因3汗
汗も菌の繁殖によって臭いを発生させます。
汗が付着した皮膚は、時間の経過でアルカリ性に変化し、細菌が繁殖しやすくなります。
汗の臭いと便の拭き残しが混ざると、さらに強い臭いを発生させるため注意が必要です。
原因4肛門括約筋の緩み
肛門括約筋が緩むと、臭いや便の漏れにつながり、臭いの原因となります。
肛門括約筋は加齢や出産、手術などで傷つくと、緩みが生じてしまうこともあります。
原因5病気
臭いのもととなる肛門の病気は、次のものがあげられます。
- 裂肛(れっこう):切れ痔
- 痔瘻・痔ろう(じろう):あな痔
- 痔核(じかく):いぼ痔
- 肛門掻痒(そうよう)症
- 肛門周囲膿瘍(しゅういのうよう)
- 潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)
- 過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)
肛門が臭い場合の対策
前項で解説した原因への対策方法を紹介します。
対策1便の拭き残しを無くす
便の拭き残しを無くすのも大事ですが、強く拭きすぎないようにします。強くこすらず押さえるように拭きます。清潔にするのに温水洗浄便座は有効ですが、使いすぎると必要な皮脂まで落としてしまうため注意が必要です。
対策2下痢・便秘の対策をする
下痢を引き起こす主な原因は、ウイルスなどの感染による胃腸炎です。消化不良、食あたり、ストレスが原因の場合もあります。刺激の強い食品を避け、温かく消化の良いものを摂取しましょう。大きな病気が隠れている場合があるので、長く続くときは、医療機関を受診してください。
便秘の改善には、生活リズムを整えることが重要です。次の5つを行うことで腸が刺激され、排便習慣が整います。
- 適度な運動
- 規則正しく食事を摂取する
- 朝食後にトイレに座る習慣をつける
- 便意を我慢しない
- 水分をしっかりとる
上記で改善されない場合、大きな病気が隠れている場合もありますので、医療機関を受診してください。
対策3汗を拭きとる
こまめに汗を拭き取り、肛門を清潔に保ってください。下着を選ぶときは、通気性の良いものを選びましょう。
対策4肛門括約筋運動をする
肛門括約筋には、意識して動かせる「外肛門括約筋」と無意識で動く「内肛門括約筋」の2つがあります。そのうち外肛門括約筋は、運動により鍛えることが可能です。加齢などで弱った筋肉は、運動や体操などで改善できます。
監修
医療法人社団晃輝会
理事長 医学博士 大堀 晃裕
日本大腸肛門病学会 専門医・指導医 https://www.coloproctology.gr.jp/
大学病院と総合病院に長年従事し、肛門病疾患を中心に大腸肛門病に対して多数の検査実績、手術への豊富な執刀経験を持ちます。
日本大腸肛門病学会の中でも数少ない専門医・指導医として、治療だけでなく技術指導を行なっています。
現在医療法人社団晃輝会の理事長として大腸肛門病・消化器内科の専門クリニックを2院展開し、胃・大腸内視鏡検査を年間2,700件以上、手術も年間500件あまり手掛けています。
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